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童話でHappy♪

ハッピーエンドの童話たちが あなたの気分をHappy♪にしちゃいます
週2回(水・土辺りに)更新します

雪だるま
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    だって親子だもの(江戸小話より)
    昔々の江戸の長屋に父、母、息子の三人家族が
    平穏に暮らしていました。
    
    ある日の出来事です。
    
    「あら、お前さん、帰って来ていたのかい?」
    
    夕飯の仕度をしていた奥さんは、
    不意に旦那さんがいることに気づきました。
    
    いつもは「今帰ったよ!」と威勢よく帰って来るのに、
    なんだか様子が変です。
    
    「どうしたんだい? なにか問題でもあったのかい?」
    
    と、旦那さんに尋ねました。
    
    「いやぁ、その、なんだなぁ」
    
    旦那さんは肩をすぼめ、奥さんと目を合わせたり反らせたり、
    そわそわしていました。
    
    「なんなのよ、忙しいんだから、早く話しておくれよ」
    
    奥さんがせかすと、旦那さんはボソボソ、
    っと何かを呟きました。
    
    「えっ、なに? 聞こえないわよ」
    
    奥さんは、耳に手を当てて聞き返しました。
    
    「いや、あの〜ぉ、なんだ…、おかねぇ〜……」
    
    「はぁ?」
    
    「お金を! 落とした……」
    
    「なんだってぇ!」
    
    奥さんは驚いて大きな声を出してしまいました。
    
    「おいおい、そんなに大きな声を出すんじゃないよ、
     ご近所に聞こえちまうじゃないかよ」
    
    旦那さんは困ったような表情をしながら、
    両手をバタバタさせて奥さんをなだめるような仕草をしました。
    
    奥さんのほうは、そんなことには構わず大きな声で、
    
    「いったい、いくら落としたの!」
    
    そう言われて、旦那さんはすまなそうに肩を落として
    「小判」と言ってから、右手の人差し指を立てました。
    
    それを見た奥さんは、
    
    「小判、一枚かい、もーう、まったく、稼ぎも少ないのに
     小判を落とすなんて、どれだけ間抜けなんだろうね!」
    
    旦那さんは、一回りも二回りも体をすぼめて
    小さくしぼんでしまいました。
    
    そこへ「ただいまー!」と息子が元気よく帰って来ました。
    
    帰って来た早々、息子は母親に嬉しそうな顔で言いました。
    
    「今ね、歩いていたら、小判を拾ったよ!!」
    
    「なんだってぇーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
    
    母親と、小さくしぼんでいた父親が、
    驚いて息子の方に近寄って来ました。
    
    「でかしたゾ、わが息子!!!」
    
    父は大喜びです。
    
    「へへへ」
    
    息子も得意げな笑みを浮かべました。
    
    「えらいね〜ぇ」
    
    と母も満面な笑みを浮かべながらが「どれ、見せてみな」
    
    息子はとびっきりの笑顔で、元気いっぱいな声で言いました。
    
    「拾ったんだけど、家に着くまでに、どこかに落として来ちゃった〜」
    
    「なんだってぇーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」
    
    母も父も、目を見開いて驚きの表情を息子に向けました。
    
    両親の表情を見て、笑いに包まれていた息子の顔は、頬がヒクヒクし、
    こめかみの辺りから一筋の汗が落ちて行きました。
    
    父親は、ドサッ、とその場に座り込んで、頭を下げてうなだれました。
    
    母親は
    
    「まったく、そろいもそろって、なんて間の抜けた親子なんだろうねぇ、
     あー、情けない情けない」
    
    と、途方にくれ
    
    「もう、あんたたちのために夕飯なんて作ってられない、
     今日は夕飯ぬきだよ!」
    
    「えーーーーーー!!!!!」
    
    息子と父親は抗議の声を上げましたが、
    
    「うるさーーーーーーーーーい!!!!!!!」
    
    と、母親に鬼の形相で一喝されてしまい、二人とも
    しょぼんとしてしまいました。
    
    そこへ、
    
    「あの〜、お取込み中のところすみませんが……」
    
    と、誰かの声がしました。
    
    母親は鬼の形相のまま振り返りました。
    
    そこには、良く知った顔がありました。
    向う隣の奥さんです。
    
    母親は急に柔らかい表情になり
    
    「あ〜ら奥様、どうなさいました〜」
    
    と、猫なで声を上げました。
    
    向う隣の奥さんは、恐る恐る
    手に持った小さな袋を差し出しました。
    
    「あのぉ、道端でこれを拾ったのですが、
     奥さんがこれと同じ物を持っていたと記憶していたので、
     もしかしてと思いまして……」
    
    差し出された小袋を見て、
    母親は一瞬で自分のものだと分かりました。
    
    父親も息子もすぐに分かりました。
    
    それが母親の財布だということを。
    
    母親は何食わぬ顔で
    
    「あ〜ら嫌だわ、あたしったら、そそっかしくて、
     届けて下さってありがとうございますね〜」
    
    と、小袋を受け取り、深々と頭を下げました。
    
    向う隣の奥さんは、小袋を渡すと、
    そそくさと去って行きました。
    
    玄関に向かって頭を下げている母に、
    父と息子は厳しい表情を向けました。
    
    ふり返った母親は、二人の顔を見てから、
    
    「良かったじゃない、こうやって戻って来たんですから」
    
    と、言いました。
    
    そんなことを言われたところで、
    散々罵倒された父と息子が許すはずがありません。
    
    抗議の表情を続けていると、根負けした母親は、
    
    「分かりました、分かりましたよ、
     そんなに睨まないでおくれよ。悪かったよ、言いすぎたよ〜」
    
    と言ったあと、小袋と軽く持ち上げて、
    
    「お詫びに、これで何か食べに行こうかっ」
    
    「やったー!!!」
    
    父親と息子は両手を上げて喜び、
    
    「ボクうどんがイイ」
    
    「オレはそばだな」
    
    と、楽しげに話し出しました。
    
    「あんまり、高い物はダメよ、
     そもそもあんたは小判を落としてんだから」
    
    「それは言いっこなしよ、お互いに」
    
    と皆で笑いながら、火の元、戸締りを確認して、
    親子三人仲良く食事に出かけました。
    
    
    おしまい
    
    
    JUGEMテーマ:失敗は成功へのプロセス

     

     

    〜この物語について〜


    もとのお話

    福娘童話集『バカ息子』
    http://hukumusume.com/douwa/pc/kobanashi/09/05.htm

     

    人は自分に甘く、他人には厳しいという傾向があるそうです。
    
    自分の失敗などには、いろいろな理由づけや言い訳をして、
    なんとか「しょうがない」という方向に持っていこうとします。
    
    でも、他人の失敗に対しては、
    必要以上に厳しく責めてしまったりするんですよね。
    
    今回のお話のお母さんなんて、旦那さんと息子さんには
    鬼の形相を向けていたのに、自分は笑ってごまかそうと
    してましたもんね。
    
    本来なら、自分の失敗に対して理由や言い訳があって
    「しょうがない」で済ますことができるのなら、同じ理由で、
    他人の失敗も「しょうがない」と済ませられるハズです。
    
    でも、これがなかなかできないのが、人なんでしょうね。
    
    
    「失敗とはそのやり方は正しくないという発見だ」
    
    そんな感じの言葉を言ってるのが発明王エジソンです。
    
    他人の失敗を咎めるよりも、起きてしまったことは
    「しょうがない」として、対応策を考えたりして、
    プラスに転じることに力を入れる方が、よっぽど建設的です。
    
    今回のお話のお母さんのように、自分の否はすぐに認めて、
    みんなで美味しい物を食べに行った方が楽しいですしね。
    
    逆に、自分の失敗で人に迷惑をかけてしまったときなどは
    「しょうがない」と言い訳を考える前に、対応策を考えた方がイイ。
    
    上司に報告するのなら
    
    「その失敗により、こういうことが起きる(起きた)から、
     こうしたいと思います」
    
    と言えるぐらい考えてから行動できれば、レベルアップチャンスです!
    
    まっ、理想ですけどね(^^;
    
    
    今日のHappyポイント♪
    『 失敗は成功のマザー by 長嶋茂雄 』
    (↑彼が言ったと言われてますが、定かではありませんm(_ _)m) 
    
    ご意見ご感想、お待ちしています(^0^)/

     

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