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童話でHappy♪

ハッピーエンドの童話たちが あなたの気分をHappy♪にしちゃいます
週2回(水・土辺りに)更新します

雪だるま
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    将棋のとも(江戸小話より)

     横町のいんきょは将棋が大好きです。

     

     息子に自分の店を任せてからは毎日、将棋をさして暮らしています。

     

     相手は、若いころ商売を初めたときから仲の良い、表町のいんきょです。

     

     商売ではお互い競い合い、仕事が終わると酒を酌み交わし好きなことを言い合う、そんな付き合いを長年続けていました。

     

     お互い、いんきょとなり、競い合うのは商売から将棋に変わりましたが、それ以外はなにも変わらない毎日をおくっていました。

     

     今日も、朝から表町のいんきょの家で、将棋をさしていました。

     

     いつもなら、お互い、勝ったり負けたりの勝負になるのですが、今日は、横町のいんきょの調子が悪いのか、三連敗してしまいました。

     

    「今日はもうやめにするか?」

     

     との表町のいんきょの提案に、一勝もできず悔しい横町のいんきょは、

     

    「あと、もう一回」

     

     と、言って、四戦目に突入しました。

     

     しかし、対局が進むにつれ、横町のいんきょの旗色が悪くなって行きました。

     

     そして、ついに表町のいんきょに、厳しい手をさされてしまいました。

     

    「待った、それ待った!」

     

     横町のいんきょは大声で待ったをかけました。

     

     すると表町のいんきょは不快な顔をしながら言いました。

     

    「またぁ? これで三度目だ、もう、待ったはダメだ」

     

    「そんな、もう一回、これで最後だから、頼む」

     

    「ダメだ、早く負けを認めろ」

     

    「そこを、もう一回、ね」

     

    「ダメだ、ダメだ、ダメだ」

     

     と、表町のいんきょは、頑として譲りませんでした。

     

     朝からの調子の悪さで、ずっとイライラしていた横町のいんきょは、とうとう、

     

    「あー、もう、やめだ! やめだ!」

     

     と、かんしやくを起こして将棋盤の駒をぐちゃぐちゃにしてしまいました。

     

    「なんてことを」

     

     表町のいんきょは驚いた声を上げました。

     

     横町のいんきょは、癇癪の勢いのまま

     

    「長い付き合いなんだから、待ったくらいしてくれてもいいじゃないか」

     

    「何度も待ったしてやったじゃないか」

     

    「してやっただと〜ぉ」

     

     表町のいんきょが、あまりにも正論を言うので、不満の行き場を失ってしまった横町のいんきょは

     

    「もう、金輪際、お前と将棋はやらん!」

     

     と、言ってしまいました。

     

     売り言葉に買い言葉、そう言われた表町のいんきょは

     

    「おう、そうしよう、おまえと将棋をやるのは今日までだ」

     

     と怒ってしまいました。

     

     横町のいんきょは表町のいんきょをしばらく睨み付けてから

     

    「じゃぁな」

     

     と吐き捨てて、家に帰りました。

     

     

     さてさて、勇ましく家に帰って来た横町のいんきょでしたが、だんだん頭が冷えてくると、後悔の念が頭の中をめぐるようになってしまいました。

     

    (まったく、あの時、待ったなんかせず、負けを認めれば良かった)
    (そもそも、今日は調子悪かったんだから、将棋は早く切り上げて、酒でも呑みに行けばよかった)
    (そうしてれば、こんなことにはならず、今頃、楽しく酒を呑んでいただろうなぁ……)

     

     そんなことを考えていると、居ても立っても居られないくなりました。

     

     そして足は独りでに、表町のいんきょの家に向かっていました。

     

     角を曲がり、表町のいんきょの家が見えると、表町のいんきょも外へ出ていました。なにやら、ソワソワした感じで落ち着きがありません。

     

     二人は顔を合わせました。

     

     横町のいんきょは、少し迷いましましたが、意を決してツカツカツカと表町のいんきょに近づいて行きました。

     

     そして「さっきのは、頑固なおまえが悪い」

     

     と言いました。

     

     すると表町のいんきょは「なんだと、癇癪起こしたおまえが悪い」

     

     また言い合いが始まってしまいました。

     

    「なんだと、悪いのはおまえだ」

     

    「おまえの方こそ、悪い」

     

    「じゃぁ、分かった」

     

     横町のいんきょが話の流れを変えることを言いました。

     

    「どっちが悪いか、将棋で決着つけようじゃないか」

     

    「おう! 望むところだ!」

     

     表町のいんきょも受けて立ちました。

     

    「吠えずらかくなよ」

     

    「なにを、連敗中なのを忘れたか!」

     

    「それは、終わったことだ」

     

    「今度は、待ったなしだからな」

     

    「待ったは、三度までにしよう」

     

    「いや、ダメだ」

     

    「じゃぁ、一度だけ」

     

    「よし、一度ならいいだろう」

     

     と、二人は言い合いながら、家の中に入っていき、将棋盤に向かいました。

     

     こうやって、二人の付き合いは今後も変わらず続いていくのでした。

     


    おしまい。
     

     

    JUGEMテーマ:失敗は成功へのプロセス

     

    〜この物語について〜


    素直になれないときってありますよね。

    特に、なにかうまくいかないときは、意固地になってしまいます。

     

    そんな時は、少し冷静になり、自分の気持に素直になってみるとイイ。

     

    自分の気持ちまで、意固地になってしまい素直になれないこともあるけど、自分の頭の中は、1人きり、絶対に誰も訪れない唯一の場所。

     

    だから思いっきり「ぶっちゃけ」てみるとイイ。

    言い訳も存分に言えばイイ。

    もし、考えもしなかったことを思っても、受け入れてみるとイイ。

     

    大丈夫です。

     

    あなたの頭の中は、誰にも、見えません。

    恥ずかしい考えも、カッコ悪い考えも、バレません。

    考えが変わったって、誰も気付きません。

     

    思う存分「ぶっちゃけ」ちゃいましょう!

     

    気持ちだけは素直なる、そうするとちょっと楽になりますよ。

     

     

    この物語のもとになったお話はコチラ
    福娘童話集(将棋がたき)
    http://hukumusume.com/douwa/pc/kobanashi/11/09.htm

     

     

    今日のHappy♪ポイント

    『 頭の中では、恥ずかしいくらい、思いっきりぶっちゃけよう!! 』


     

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