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ハッピーエンドの童話たちが あなたの気分をHappy♪にしちゃいます
週2回(水・土辺りに)更新します

雪だるま
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    イルカと白ウサギ[前編](日本昔話より)

    「知らない島に、ぼく一人、どうしよう……」

     

    まだ子どもの白ウサギは、海の向こう側に見える、

    住み慣れた島を見つめて泣いていました。

     

    島にいく為には、海を渡らなければなりません。

     

    白ウサギは子どもだとは言え、

    泳げない訳ではありませんでしたが、

    向う側へちゃんとつくか自信はありませんでした。

     

    いや、泳げる自信があったとしても、

    この状況では、どのみち海を渡ることはできません。

     

    海には、何匹ものサメが泳いでいて、

    白ウサギを海に入れさせまいと、

    水中からにらみを利かせていたからです。

     

    白ウサギは体をぶるぶる震わせながら、

    サメを怒らせてしまったことを後悔していました。

     

     

    ───少し前の出来事です。

     

    子どもの白ウサギは、向う側の島に住んでいて、

    生まれたころからずっと、島のあちこちを

    元気に走り回って遊んでいました。

     

    ところが最近、白ウサギは島で遊ぶことに、

    たいくつを感じるようになってしまいました。

     

    もう島で知らない所は無い、遊びつくした!

    と、思ってしまったからです。

     

    そんなある日、海のそばまで来てみると、向う側に、

    大きそうな島があることに気づきました。

     

    行ってみたいなぁ、と白ウサギは思いましたが、

    海岸から眺めているだけでした。

     

    少し遠いので、泳ぎ切る自信がなかったからです。

     

    白ウサギは、大きな島を見つけてから、

    何度も海のそばまでやってきました。

     

    海のそばで島を見つめては、行ってみたい、

    と強く思うようになりました。

     

    そして、この日も、

    海のそばまでやって来て、島を見ていたのです。

     

    「なんかいい方法はないかなぁ」

     

    と思いながら海を見ていると、

    一匹のサメが泳いでいるのが見えました。

     

    「サメさんが背中に乗せてくれたら、

     あっちまですぐ行けるのになぁ」

     

    白ウサギはそう思いましたが、

    いつも不機嫌そうなサメがそんなことをしてくれるとは、

    とても思いません。

     

    親からも、いばり屋で見栄っ張りなサメには拘わるな、

    と強く言われていました。

     

    白ウサギは泳いでいるサメを、ぼーっと眺めていました。

     

    「あ!」

     

    白ウサギは、いいことを思いつきました。

     

    そして、考えを巡らせてまとめると、大きく頷きました。

     

    「いける!」

     

    そう言うと、海岸のぎりぎりまで歩いて行きました。

     

    そして身をかがめて、泳いでいるサメに声をかけました。

     

    「サメさん、サメさん」

     

    白ウサギが呼ぶと、海の中から、

     

    「なんだい、坊主、なんかようかい?」

     

    機嫌が悪そうな表情をしたサメが近寄って来ました。

     

    「いやぁ、あの、」

     

    白ウサギはサメの表情を見て一瞬ひるみましたが、

    勇気を持って言ってみました。

     

    「サメさんには、お友だちが大勢いますよね」

     

    「あ? 友だち? っていうか仲間ならいっぱいいるなぁ」

     

    「いっぱいですか。でも、サメさんの仲間の数なんて、

     きっとボクの友だちの数に比べたら、比べ物にならないほど、

     少ないと思うんだけどなぁ」

     

    白ウサギはワザと馬鹿にしたような口調で言いました。

     

    「あーん?」

     

    サメは、さらに怖い表情になってから、

     

    「おまえの仲間の方が多いだと?」

     

    「ハイ」

     

    自信満々に言う白ウサギにサメは、

     

    「ふざけんな、オレの仲間の方が多いにきまってる!」

     

    白ウサギは、サメのその言葉で、シメタ、と心の中で思いました。

     

    見栄っ張りのサメはバカにされたら、きっと

    自分の方が多い、と言うと思っていたからです。

     

    そして白ウサギは考えていた台詞を言いました。

     

    「それじゃぁサメさん、仲間を呼んであの島に向かって、

     一列に並んでください。私が数えますから」

     

    「分かった、オレの方が多いことを証明してやる」

     

    と言ってからしばらくして、サメは仲間を集めて、

    島に向かって一列に並ばせました。

     

    「さぁ、数えてみろ!」

     

    サメがそういうので、ウサギは「数えるよ」と言って、

    軽やかにサメの頭に乗りました。

     

    「1ぴき、2ひき、3びき……」

     

    ウサギはサメの頭の上をぴょんぴょんと飛んでいき、

    ついに、海の向こうの島までたどり着きました。

     

    「13びきだ! スゴイねサメさん!」

     

    白ウサギは島から、サメに言うと、

     

    「そうだろう」

     

    と、サメは自慢げな表情を見せてから、

     

    「じゃぁ、今度はおまえの仲間の数をオレに数えさせろ」

     

    そう言われて、ウサギはお茶らけた表情で言いました。

     

    「へへへーん、冗談でした! ボクは始めから、

     こっちの島に渡りたくて、サメさんの頭を使わせてもったんだよー!」

     

    白ウサギはまだ子どもだったので、

    冗談だったと、言えば許してもらえると思っていたのです。

     

    しかし、相手は気難しいサメです。

     

    お茶らけている白ウサギに向かって、

     

    「なんだコラー!!

     

    と、大きな声を上げました。

     

    白ウサギはビックリしました。

     

    サメは、怖い顔で言いました。

     

    「フン、小僧、オレをだましてタダで済むとは思ってないだろうなぁ」

     

    「いや、だましたなんて、ゴメンナサイ、ほんの冗談です、冗談」

     

    「あやまっても冗談でも、オレを小バカにしたことは同じだ!」

     

    サメの低い叫び声を聞いて、

    白ウサギは、唾をゴクリと飲みました。

     

    サメは、白ウサギをしばらくにらんだあと、ニターっと笑いました。

     

    「ところで小僧、そこから元いた島に戻る方法は考えているのか?」

     

    白ウサギは“ハッ!”となりました。

     

    帰ることまでは考えていなかったのです。

     

    その表情を見てサメは言いました。

     

    「フフフ、もうお前にオレたちの頭はかさねえぜ、

     しかも、泳いでも渡らせない、おまえが飛び込んだら、

     ひとのみしてやる。

     そのために、ずっとこの海を仲間と一緒に

     泳いで見守ってやるからありがたく思え」

     

    フフフフフフ、とサメたちが、イヤな笑いを浮かべました。

     

    「え、えぇぇぇ……」

     

    白ウサギは、サメに拘わるな、という親の言っている意味が

    やっと分かりました。

     

    「毛皮をはぎ取られなかっただけ、ありがたく思いな! 

     オレはなんて、優しいんだろうな」

     

    そうサメは言い残して、海の中を悠々と泳ぎました。

     

    ときおり海から顔を出すサメにおびえながら。

     

    「ど、どうしよう……」

     

    白ウサギは、ぶるぶると震えて、

    しゃがみ込みこんでしまいました。

     

     

    ───つづく、

     

     

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