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童話でHappy♪

ハッピーエンドの童話たちが あなたの気分をHappy♪にしちゃいます
週2回(水・土辺りに)更新します

雪だるま
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    イルカと白ウサギ[後編](日本昔話より)

    [中編]はこちらからどうぞ

     

     

    「ヒュルルルルルルルルル」

     

    イルカは大きな声を上げて、サメを威嚇しました。

     

    しかし、サメたちはまったく動じず、イルカの周りを泳いでいます。

     

    子どもの白ウサギは、イルカの背中でぶるぶると震えています。

     

    「フフフフ、イルカに乗って逃げるとは、考えたなボウズ」

     

    と白ウサギに騙されたサメが、近づいてきて言いました。

     

    「近寄るな!」

     

    と、イルカが叫びました。

     

    サメは少し近づいて、白ウサギを睨みながら周りを泳いでいます。

     

    白ウサギは体を震わせながら、考えていました。

     

    (このままでは、食べられてしまう、イルカさんもボクも……)

     

    「どうしたボウズ、怖くてなにも言えねぇか」

     

    白ウサギに騙されたサメが、ギョロリと白ウサギに目を向けて、

    鋭い歯をむき出しながら笑っています。

     

    「近寄るな、って言ってるだろ!」

     

    とイルカは叫びながら、なるべくサメから離れるように

    泳いでいます。

     

    しかし、周りはサメに囲まれているので、

    スピードを上げて、自由に泳ぐことはできません。

     

    白ウサギは、イルカの背びれにしがみついて、

    目をギュッとつむりました。

     

    (ボクが悪いんだ、ボクがサメさんをだまして、

     イルカさんまで巻き込んで、全部、ボクが悪いんだ、

     全部……)

     

    白ウサギは目を見開きました。

     

    そして、体を震わしながらも、サメに向かって大声で叫びました。

     

    「サメさん、ゴメンナサイ、悪いのは全部ボクです。

     イルカさんは関係ありません。イルカさんを逃がしてください」

     

    サメは不敵な笑みを浮かべて。

     

    「おっと、そうとも」

     

    と同意してみせてから、イルカに向かって言いました。

     

    「イルカの小僧、おまえには関係ない話だ、

     その背中にいるうすぎたねぇウサギを、

     今すぐ海の中へ突き落せ、そしたら見逃してやる」

     

    イルカはすぐに言い返しました。

     

    「冗談じゃないよ、友だちを裏切る訳にはいかないね」

     

    「おうおう、泣かせるじゃねぇか、

     なぁ、おまえらもそう思うだろう」

     

    騙されたサメは、他のサメたちに同意を求めました。

     

    それに応えるように、サメたちは不敵な笑いを巻き起こしました。

     

    騙されたサメは、今度は白ウサギに話しかけます。

     

    「ボウズ、どうする、イルカはおまえを見放さないとよ、

     それだったら、一緒に始末するしかねぇなぁ」

     

    白ウサギは、唾をゴクリと飲みました。

     

    サメはさらに続けます。

     

    「それとも、ボウズ、おまえがその手を放して、

     海に飛び込めば、状況は変わるかもしれないぜぇ」

     

    白ウサギは、目を見開きサメを見ました。

     

    サメは不敵な表情で見ています。

     

    白ウサギは思いました。

     

    (そうだ、ボクが飛び込めば、イルカさんは助かるんだ)

     

    「ダメだ!」

     

    イルカが大きな声を上げました。

     

    「ダメだウサギさん、飛び込んじゃダメだ!」

     

    その声は白ウサギにもちゃんと聞こえました。

     

    しかし、イルカを助けたいとの思いが

    白ウサギの頭に中にはありました。

     

    (全部、ボクが悪いんだ、考えなしにサメさんをだまして、

     考えなしにイルカさんを巻き込んで……)

     

    「ダメだウサギさん、ボクがなんとかするから、

     そこにいて、ボクの背びれを離さないで!」

     

    「ありがとうイルカさん、ほんのちょっとだったけど、

     君の背中に乗って、海を泳げてとても楽しかったよ」

     

    「うん、ボクも楽しかった。だからまた一緒に遊ぼうよ」

     

    「───うん、また、遊ぼうね」

     

    と、白ウサギは静かに言ったあと、

    背びれを掴んでいた手の力を抜きました。

     

    「イルカくん、ありがとう」

     

    白ウサギは海の中へ飛び込みました。

     

    「ウサギさーん!!!

     

    イルカが大きな声を上げました。

     

    サメは、ニターっと歯をむき出しにして、

    下品な表情で笑いました。

     

    そして、ゆっくりと白ウサギの飛び込んだ方向へ

    泳いでいきました。

     

    泳ぎながらサメは、ふと、周囲の異変に気付きました。

     

    イルカを囲んでいたサメたちが何かソワソワ慌てています。

     

    「どうした?」

     

    サメが問いかけても、反応もなく、一匹、二匹と、

    次々と逃げて行くように泳いで行ってしまいます。

     

    サメは慌てました。

     

    その一瞬見せたサメのすきを見逃さずに、イルカはすぐさま体を翻し、

    白ウサギの方へ潜っていき、浮いている白ウサギを口にくわえました。

     

    「このやろう! かってなことを!」

     

    サメはイルカにおそいかかろうとしました。

     

    その時です。

     

    イルカにおそいかかろうとしていたサメに、

    激しくなにかがぶつかりました。

     

    始めは右から、すぐに左から、そして右、次に左から、

    何回も何回もぶつけられ、サメは耐えきれず、

    フラフラになりながら、とうとうその場を去っていきました。

     

     

    ──────。

     

    白ウサギは真っ白いお日様の光で目を覚ましました。

     

    「ここは天国かなぁ?」

     

    なんて、とぼけたことを言うと、

     

    「あ、気づいた! みんなー気づいたよ!!

     

    という声が聞こえました。

     

    白ウサギは立ち上がって、周りを眺めました。

     

    すると、たくさんのイルカが自分の方を見ていました。

     

    「ウサギさん、気づいてよかった」

     

    声の方に目を向けると、島で出合ったイルカの顔が

    背びれ越しに見えました。

     

    イルカの背中に乗っていることに白ウサギは気付きました。

     

    イルカは言いました。

     

    「みんなが助けに来てくれたんだよ」

     

    イルカたちは、サメを威嚇する為に上げた大きな声を聞いて、

    助けにやって来たのです。

     

    白ウサギは、周りを見渡しました。

     

    数えきれないくらいのイルカが、

    白ウサギを、興味深々、といった表情で見つめていました。

     

    そんなイルカたちの無邪気な表情を見て、

    白ウサギは涙をぽろぽろとこぼしながら言いました。

     

    「みなさん、ありがとう……、ありがとう」

     

    すると、一頭のイルカが言いました。

     

    「オレたちイルカはサメと違って、仲間は助ける!

     これが当たりまえさっ!」

     

    そうだ! そうだ! と周りから声が上がりました。

     

    白ウサギは涙を流しながら言いました。

     

    「でも、ボクは、みなさんの大切な仲間のイルカさんを巻き込んで、

     危ないめに合わせて、ボクは、ボクはひどい奴です」

     

    そう言ってうなだれる白ウサギに、一頭のイルカが近寄って来て、

    優しい表情で言いました。

     

    「いいえ、あなたは決して、ひどい奴なんかではありません。

     聞きましたよ」

     

    「へ?」

     

    白ウサギは近寄って来たイルカを見つめました。

     

    イルカは包み込むようなまなざしで、白ウサギに言いました。

     

    「自分が海に飛び込むことで、私の息子を、

     サメから助けようとしてくれたそうですね」

     

    白ウサギは、ポカンと、イルカの言葉を聞いていました。

     

    「白ウサギさん、息子を守ってくれて、ありがとう」

     

    そんな言葉を投げかけられ、白ウサギは、

    いろんな感情と、安心したのが、ごちゃ混ぜになってしまい、

    イルカの背中の上で、大勢のイルカに見守られながら、

    大きな声を上げて、ぼろぼろと涙を流して、おもいっきり泣き続けました。

     

     

    おしまい。

     

     

    JUGEMテーマ:失敗は成功へのプロセス

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