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童話でHappy♪

ハッピーエンドの童話たちが あなたの気分をHappy♪にしちゃいます
週2回(水・土辺りに)更新します

雪だるま
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    美味しいエサと枯草(イソップ物語より)

    むかしむかし、ある家に2頭の馬が飼われていました。

     

    馬小屋に隣同士に並んでいた馬のうち、

    1頭の馬には、いつも美味しいエサが与えられ、

    もう1頭には枯草がエサとして与えられていました。

     

    1頭の馬が隣の馬に言いました。

     

    「君は、そんな美味しくもない枯草ばかり食べていて、

     辛くないのかい?」

     

    「うん、大丈夫。それより君は、美味しいエサを毎日食べてるけど、

     イザ戦争になったら、戦いに行かなきゃならないんだよね。

     その方が辛くない?」

     

    「辛くないよ」

     

    「でも、戦争に行って、帰って来なかった馬はいっぱいいるよ」

     

    「うん、知ってる。でも戦争なんてそう頻繁に起こらないけど、

     食事は毎日のことだからね。いくら戦争に行かなくて済むからって

     君のように枯草ばかり食べさせられるのはゴメンさ」

     

    「そっか、確かに、いつ来るか分からない戦争のことを心配するより、

     毎日美味しいものを食べた方が、幸せかも知れないね」

     

    「そうだよ、その方が幸せだよ」

     

    美味しそうなエサを食べながら1頭の馬は得意げにそう言いました。

     

    すると、枯草を食べている馬は、

     

    「でも、ボクは戦争が無くても、戦う練習が苦手だから、

     のんびりと農作業を手伝っている方がいいよ」

     

    「そうか、君は農作業が好きなんだね。ボクは農作業が苦手だから、

     戦う練習の方がイイ。なによりおもいっきり走れるしね」

     

    「そうだったね、君は走るの好きだもんね」

     

    そんな会話をしながら、2頭は仲良くエサを食べていました。

     

     

    そして、しばらくの時が過ぎました。

     

    2頭はそれぞれ戦いの練習をしたり、農作業を手伝っていました。

     

    ある日のこと、どうやら人間たちは戦争を始めたらしく、

    いつも美味しいエサを食べていた馬は鉄の鎧を着させられました。

     

    「まさか、本当に戦争になるとは思わなかったね」

     

    毎日、枯草ばかり食べていた馬が言いました。

     

    鉄の鎧を着せられた馬は、

     

    「どうやら今日出撃のようだ」

     

    「そっか、じゃぁ、しばらくは並んで食事することはできないね」

     

    「うん、でも、戻ってきたら、また食事しようね」

     

    「そうだね、そうしよう、きっと戻って来てね」

     

    「あぁ、きっと戻ってくるさっ」

     

    と、言ったあと、鎧をつけた馬は、人間に引っ張られ、

    戦場へと旅立っていきました。

     

    1頭だけ残された馬は、隣に誰もいない馬小屋で、

    少しさみしく枯草を食べました。

     

    そして毎日、農作業の手伝いをする変わり映えのない

    日常を過ごしていました。

     

    そんなある日のこと。

     

    農作業を終えて枯草を食べていたときに、飼い主が近づいてきました。

     

    なんだろうと思い、馬は顔を上げると、飼い主が話し始めました。

     

    「おまえは農業用の馬だけど、馬が足らないというのでな、

     かんべんしてくれよ」

     

    と言うと同時に、馬に鎧をつけ始めたのです。

     

    突然、鎧を着させられたので馬はビックリしました。

     

    首や背中に、ずっしりと重たい鎧が次々と乗せられます。

     

    馬は今まで麦や藁などいろいろ担いできましたが、

    こんなに重い物を担いだのは初めてでした。

     

    そして鎧を乗せられたあと、

    歩くように促されたので、足を前に出しました。

     

    なんとか歩けましたが、重くてフラフラです。

     

    しばらく歩くと、鎧を身に付けた兵隊さんがいました。

     

    その隣まで歩いて行くと、兵隊さんは背中に飛び乗って来ました。

     

    ズシン、と背中にさらに重い物が加わりました。

     

    馬は耐えきれなくなり、思わず膝から崩れるように

    しゃがみ込んでしまいました。

     

    飼い主は声を上げました。

     

    「やっぱり無理ですよ、こいつは普段から枯草しか食べてないから、

     力が出ないんだ」

     

    「そうか困ったな」

     

    と、兵隊さんは馬から降りてアゴに手を当てて考えました。

     

    「どうだろう、鎧を脱がして、馬だけでもなんとか貸してくれぬか?」

     

    「お国のためなら仕方ありませんが、なるべく無事に返してくださいよ」

     

    と、飼い主は言って馬から鎧を外しました。

     

    鎧を外されて、身が軽くなった馬ですが、

     

    (ボクは戦場に行くのか? それも鎧無しで。

     ボクは美味しいエサも食べていないのに!!)

     

    馬はとても複雑な思いをしました。

     

    そして、兵隊さんが背中に飛び乗ってきて、お腹の辺りを足で

    ポンと叩くので、指示されるがままに歩き出しました。

     

    (いやだ戦場には行きたくない。戦い方もしらないし、

     美味しいエサも食べてないじゃないか!!)

     

    イヤでイヤで泣きそうになった馬でしたが、

    人間には逆らえず、しかたなく戦場に出向いて行きました。

     

     

    それから何週間か時が経ちました。

     

    2頭の馬は無事、ケガもなく戦場から帰って来ました。

     

    そして以前のように2頭並んでエサをもらいました。

     

    相変わらず1頭の馬のエサは美味しそうで、

    もう1頭のエサは枯草でした。

     

    美味しいエサをもらった馬は、エサを食べずに言いました。

     

    「君を戦場で見かけたよ、鎧もつけずに大変だったね」

     

    「うん、戦い方も知らなかったから、

     みんなが戦っているのを後ろから眺めるしかなかったよ」

     

    「でも、食料や水を運んでくれたよね」

     

    「うん、いつ襲われるか、おっかなビックリだったけど、

     戦っている皆のためだと思ってがんばった。

     役に立ったかな?」

     

    「役立ったも何も、君がいなかったら食事もできずに

     戦えなかったよ」

     

    「そっか、役に立てたのなら、よかった」

     

    と、安堵して枯草のエサを食べようとする馬に、

     

    「ちょっと待って」

     

    と、もう1頭の馬は、前足を上手く使って、自分のエサを

    隣の馬のエサの中に入れ、両方のエサを交ぜてしまいました。

     

    枯草を食べようとしていた馬が驚いていると、

     

    「君も美味しいエサを食べる権利があるよ」

     

    「えっ」

     

    「一緒に食べよう」

     

    「うん」

     

    と、2頭は美味しいエサと枯草をまぜ合わせたエサを

    仲よく食べ始めました。

     

    「美味しいね」

     

    「うん、美味しい」

     

    2頭はお互いの顔を見ながら、戦場から帰って、

    またこうやって一緒にエサが食べられていることを

    幸せに思いました。

     

    エサをまぜて仲良く食べる2頭を見て、飼い主は驚き、

    その後は、2頭に同じエサをあげたということです。

     

     

    おしまい。

     

     

    JUGEMテーマ:仕事の悩み

    〜この物語について〜

     

    もとのお話はコチラ

    福娘童話集(馬と兵隊)

    http://hukumusume.com/douwa/pc/aesop/03/12.htm

     

     

    大変な目に合うと、ごく普通のことがいかによかったことだったのか、

    身に染みて思うことがあります。

     

    今回の馬たちも、一緒にエサを食べられる喜びを実感していました。

     

    しかし、大変な目が大きすぎると、人の心には大きな痛手が残ります。

     

    その痛手を癒すのに、とても時間が掛かる人と、

    それ程、時間が掛からない人がいます。

     

    時間が掛かる人は、心の切り替えができにくい人。

    忘れようとしても大変なことが頭から離れなくなってしまいがち。

     

    時間が掛からない人は、切り替えが早い人。

    大変なことを忘れるわけではなく、終わったこととして、

    今を集中して生きられる人。

     

    後者の人は、平常心、つまり普通の精神状態に戻るのが、

    早い人。

     

    大変な目に合ったり、イヤな思いをしたとき、

    なかなか立ち直れないという人は、無理に忘れようとせず、

     

    とりあえず、今は普通の状態、ということを心掛けてみると、

    少し気分が上向いてくるかもしれません。

     

    今は大丈夫。

    今は平気。

    今は楽しい。

     

    そこから始めてみると、いいかもよ。

     

     

    今日のHappy♪ポイント

    『 忘れることより、現状を知ること 』

     

     

     

    | 大変なことがあってもHappy♪ | comments(0) | - |









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