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童話でHappy♪

ハッピーエンドの童話たちが あなたの気分をHappy♪にしちゃいます
週2回(水・土辺りに)更新します

雪だるま
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    井戸に落ちたキツネ(イソップ物語より)

    とても暑い日、キツネはうだうだと歩いていました。

     

    ふと、井戸が目に入りました。

     

    ちょうど喉が渇いていたので水を飲もうと井戸に近づきました。

     

    そして、井戸を覗きこもうとしたとき、足を滑らせて、井戸の中に落ちてしましました。

     

    “バシャーン!!”

     

    派手に水しぶきを上げキツネは大慌て、水の中で足をバタつかせました。

     

    足をバタバタさせると、井戸は案外浅く、すぐに立ち上がることができました。

     

    「フーッ、ビックリした〜」

     

    とりあえず落ち着いたのはいいのですが、周りを見ると石の壁。

     

    見上げると、井戸の丸い縁があり、そこからうだるような真っ青な空が見えました。

     

    井戸の縁へは、飛び上れば届くか届かないかくらいの高さでした。

     

    試しに、何度か飛び上ってみましたが、あとちょっとのところで、前足が届きませんでした。

     

    全身に水を浴びて、少し涼しくなったのはいいのですが、井戸から出れないのは困りました。

     

    「どうしよ……」

     

    キツネは水を一口飲み、途方にくれました。

     


    しばらくすると、キツネの上の方から声が聞こえてきました。

     

    「キツネさん、井戸の水は美味しいですか?」

     

    キツネが見上げると、シカが覗きこんでいました。

     

    シカの顔を見たとたん、キツネはいいアイディアを思いつきました。

     

    そして、

     

    「冷たくてとても美味しいよ、シカさんも降りて飲むといいよ」

     

    キツネにそう言われ、シカは井戸の中に飛び込んできました。

     

    「冷たーい! 気持ちいい!」

     

    シカは喜んで、水を一口飲みました「美味しい!」

     

    と、笑顔でキツネの顔を見てから、ゴクゴクを水を飲み「教えてくれてありがとう」と言いました。

     

    しばらく水の冷たさを楽しんだあとでシカはキツネに尋ねました。

     

    「ところでキツネさん、ここからどうやって出ましょうか?」

     

    その声を聞いて、キツネの目は “キラーン” と怪しく光りました。

     

    「そんなのは簡単だよ。キミが前足を高く井戸の壁にかけて、梯子のようにしてくれれば、ボクが井戸の外に出れるから、そしたらキミを引っ張り上げるよ」

     

    「こうぉ?」

     

    早速、シカは言われた通りに壁に前足をかけました。

     

    「うまい、うまい」

     

    と、キツネは言いながら、シカの背中をスルスルっと通り、井戸の外に出ました。

     

    「フーっ、やっと出れた」

     

    キツネはひと息つきました。

     

    「キツネさーん、早く引っ張り上げてくださーい」

     

    井戸の中から、シカの声がします。

     

    キツネは井戸の中を、今度は落ちないように慎重に覗きこみながら言いました。

     

    「ボク一人で、キミを引っ張り上げるなんて無理だよ」

     

    「えーっ、じゃぁ、私はどうやってここから出ればいいんですか!」

     

    「そんなのは知らないよ、飛び込む前に考えなかったキミが悪い」

     

    「そんなーっ」

     

    シカはシュンとなりました。

     

    「ま、そんな訳だから、じゃぁね」

     

    と、キツネは捨て台詞を吐いてその場を立ち去りました。

     


    井戸から離れて、しばらく歩いたキツネでしたが、この暑さで井戸に閉じ込められているのはさすがに可哀想だと思いました。

     

    シカが来る前まで自分が味わっていたのですから辛さが分かります。

     

    キツネは人間に助けを求めようと街に向かいました。

     

    街に入り、近くの人間に声をかけました。

     

    すると「あ、キツネめ、しっ、しっ、こっちくんな」

     

    と、追い払われてしまいました。

     

    違う人に声をかけると、

     

    「コラッ、キツネ! 今度いたずらしたら、こいつで殴るよ!」

     

    と、ホウキを高く上げられました。

     

    キツネは普段から悪さばかりしているので、人間たちにたいそう嫌われていました。

     

    「ぶたないで!!」

     

    と、キツネは叫んでから「ボクはただ、井戸に落ちてる者がいるから、知らせにきたんだ!」

     

    「またウソついて! 誰が井戸に落ちてるっていうんだい!!」

     

    「シカさんだよ!!!!!」

     

    キツネは叫びました。

     

    「なんだって! シカだって!!!」

     

    人間が驚きました。

     

    すると「シカがどうした」と、言いながら、あちこちから人間が集まって来ました。

     

    「シカが井戸に落ちてるって、キツネが言うんだよ」

     

    「何? キツネが? まぁいい、ウソでもそれは行って確かめてみないと」

     

    「そうだそうだ、どうせキツネのウソだとしても、万が一、本当だったらシカが心配だ」

     

    と、人間たちは口々に言いながら、井戸に向かいました。

     

    キツネは、とっても複雑な思いになりながら、人間たちについて行きました。

     

    人間たちは井戸に着くと、協力しあってすぐさまシカを助けました。

     

    キツネはそれを遠くから眺めていました。

     

    すると、シカがキツネに気付き、走り寄ってきました。

     

    キツネは怒られると思って身をかがめました。

     

    「キツネさん!」

     

    「はっ、ハイ」

     

    「ありがとうございます!」

     

    「ハヒィ〜?」

     

    「キツネさんが人間たちに知らせてくれたんですね。おかげで、助かりました!!」

     

    と、シカは何度も何度もキツネに感謝の言葉をかけました。

     

    「いや、あ、あ、ど、ども〜……」

     

    感謝されるとは思っていなかったキツネは、恥ずかしいやら、シカを騙して後ろめたいやら、愛想笑いを浮かべ、ただただ時が過ぎ去るのを待っていました。

     


    おしまい

     

     

    JUGEMテーマ:人間関係

     

    〜この物語について〜

     

    もとのお話はこちらです


    福娘童話集(キツネとシカ)

    http://hukumusume.com/douwa/pc/aesop/08/25.htm

     

     

    もとのお話に、イソップ童話でもお馴染の「狼少年」の要素を足して書いてみました。

     

    お話の教訓は

    「何かをする前には、まず後の事を考えないといけない」

    です。

     

    確かに、何も考えずに飛び込んだシカは注意が足りませんでした。

     

    でも、キツネのことを全く疑わず行動するシカは、なんとなく魅力的な印象を受けてしまいます。

     

    物語の後半の内容は『キツネのことは嫌っている人間が、シカのことになると、皆が心配して助けに行く』というギャップの楽しさだけを表現したくて書きました。

     

    でも、いざ書いてみると、人間からは好かれ、さらには悪だくみをたくらんだキツネに、人間に助けを求めるという行動までさせてしまう、シカの無邪気な魅力を際立てる内容になりました。

     

    世知辛い世の中、ついつい人を疑ってしまいますが、時には『素直でいる』ということも大切なことなのかもしれません。

     

    あなたの意見をお聞かせくださ〜い(^-^)


    今日のHappyポイント♪
    『無邪気は人を和ませる』

     

    | 誰も信じられなくてもHappy♪ | comments(0) | - |









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